ジュラシックワールド炎の王国かわいそう シリーズ2作目はダメな作品だろうか?

ジュラシックワールド炎の王国 かわいそう ジュラシックワールドとジュラシックパークの関係は?

「ジュラシック・ワールド 炎の王国」(2018年)は「ジュラシック・パーク」(1993年)から数えて5作目ですが、「ジュラシック・ワールド」(2015年)からは2作目です。「ジュラシック・ワールド」は「ジュラシック・パーク」のシリーズとして扱うか、またそれとは別に「ジュラシック・ワールド」シリーズとするのか、ややこしいところです。わたしとしては、「ジュラシック・パーク」とは違った主人公が活躍するのですから、「ジュラシック・パーク」とは違った物語と見ていて、「ジュラシック・ワールド」は「ジュラシック・パーク」にある恐竜のテーマパークという設定を借りた別物ととらえています。ところがこの作品には「ジュラシック・パーク」の登場人物が登場します。

イアン・マルコム博士でこれで「ジュラシック・パーク」からの続きものであるということを示したわけです。ところがマルコム博士は映画のラストで「ジュラシック・ワールド」という言葉を発します。これで「ジュラシック・パーク」からのスピンオフであるけれど、「ジュラシック・ワールド」は「ジュラシック・パーク」とは違う物語ですよという宣言しておいたという風にも見せます。

 

J・A・パヨナ監督はイアン・マルコム博士を素晴らしいキャラクターと評します。プロデューサーのフランク・マーシャルは、劇中で語るカオス理論を語っていますがこれが本作では必要なものです、と語ります。

マルコム博士は劇中で欲のために暴走する科学、政治、経済がもたらす被害について語りますが、これがこの映画のテーマでもあるのです。

ジェフ・ゴールドブラムも「ロスト・ワールド/ジェユシック・パーク」(1997年)から21年ぶりのカムバックです。彼は「小さい役です。もしかしたら全部カットもありうるかもしれません。しかし、もし残るなら少しでもインパクトがあればいいなと思います」と語ります。

しかし、J・A・パヨナ監督はアクション場面で大きな役割はありませんが、ストーリー上非常に大きな役割です」と語ります。映画の冒頭でストーリーが転がり、ラストで締めるというこの役は出番は少ないですが、肝心なところに顔を出すというものですからたしかに重要です。

ジュラシックワールド炎の王国かわいそう  評判がよくないジュラシックワールド炎の王国

しかしこの「ジュラシック・ワールド」の2作目は評判は芳しくありません。恐竜たちは富豪の屋敷内を暴れまわるというくらいの小ささですから、ちょっとスケールがダウンしているように思えます。人間が見上げるほどの大きさの恐竜がちょっとしか出ていないというのが難点かもしれません。

ラストでも恐竜を大量に野放しにするところもいいのかそれで、というものであります。

また恐竜に共感を持たせようとするのか妙に人間臭い仕草をするところはなんだかなあと思います。

また恐竜を売って金儲けをたくらむ悪役は主役である方もジュラシックパークを開いて恐竜を見世物にして金儲けしていると

いうわけだから、どっちもどっちだというこの映画の設定がすっきりしないと言えます。結局、恐竜をクローンでよみがえらせて、人間の欲望により主人公も悪役側も命をもてあそんでいることに変わりないということですね。そのためになんだか恐竜がかわいそうになってきます。映画の前半の方で火山が噴火して恐竜たちが火と煙の中に包まれていくとは哀れに思いますしね。

 

ジュラシックワールド炎の王国かわいそう  妙に人間臭い恐竜はかわいいか、リアリティなくて白けるか?

また恐竜に親しみを持たせようというのか妙に人間臭い仕草をさせているのもどうかなあと思います。

主人公であるオーウェン(クリス・プラット)と心を通わせるヴェロキラプトルのブルーと名付けられた恐竜が特にそう扱っています。

前作では着ぐるみを着た人物が演じたのですが、本作ではアニマトロニクスが主体となっています。アニマトロニクスとは、機械工学、電子制御、特殊メイク技術などを駆使して、生物や架空の生き物をリアルに再現し動作させる技術です。コンピューター制御されたロボットを駆使します。それにCGを組み合わせて、着ぐるみでは表現できない動きを見せています。

こうして表現されたブルーは観客の共感を得る前に、クリス・プラットやスタッフの人気者になっています。

ジュラシックワールド炎の王国かわいそう  ジュラシックワールド炎の王国は現代における男女の関係を示している。

また登場人物の誰にも共感を呼べないという批評もありますが、私は主人公であるオーウェンとクレア(ブライス・ダラス・ハワード)のカップルの関係はおおいに共感しました。

オーウェンは恐竜の特にブルーの飼育係、クレアはジュラシック・ワールドの運営責任者で、元恋人同士という設定であります。これが悪人どもから恐竜を救おうとするわけですが、お互いに助け合って行うという描写が良いと思います。

 

こういう物語だと昔ならスーパーヒーローである男性がか弱き女性を助けながら危機を脱していくということになります。男は女を守るものという観念でこれを描いていたわけですが、今では女は弱いもの、足手まといになるものという描き方は反発を食らいます。本作ではオーウェンはジェームズ・ボンドでもインディ・ジョーンズのようなヒーローじゃないですから、ピンチにもなります。そんなピンチをクレアが助ける。オーウェンも俺についてこいという尊大な態度も見せません。こういう男女の関係性は現代なら当たり前ということになります。これが良いなあと思いますね。

 

だからこそこのふたりをスターを立てずにキャスティングしているのがこの映画のいいところと言えますね。

ジュラシックワールドはジュラシックパークのスピンオフ

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ジュラシックワールド ジュラシックパークのスピンオフ
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