映画国宝 興収170億円突破!邦画実写映画興収第1位になるのは秒読み段階

「国宝」が2025年11月に興収170億円を突破しました。これまでの邦画実写映画の第1位である「踊る大捜査線 レインボーブリッジを封鎖せよ!」の173・5億円です。170億円を突破したということは、未だに客足が衰えていない「国宝」が第1位になるのは確実でしょう。願わくば200億円超えるなかなか破れない記録に達することを期待します。

映画国宝 興収 大ヒットした御礼で入場特典を配布

配給元の東宝では11月15日から自社の配給する作品に入場特典を配布していますが、この「国宝」は「特大ヒット御礼入場者プレゼント」と銘打って特典を配布します。

特性ポチ袋に入ったスマホサイズのステッカーです。喜久雄(吉沢亮)によるビジュアルと喜久雄と俊介(横浜流星)による妖艶で力強い女形のポスタービジュアルの2種類です。ただし、種類は選べません。

映画国宝 興収 大ヒットしたのは老若男女問わず幅広い層を取り囲んだおかげ

「国宝」がこんなに大ヒットしたのはSNSで広がった作品自体の興味が若者中心に広がったことにあります。封切り当初はさほど客が入らず、ヒット作の最低ラインである興収10億円にも届かない惨敗で終わるだろうというのが業界の予想でした。しかしSNSでこの作品が上質の出来であることが投降されてこれが評判を呼びました。吉沢亮と横浜流星というふたりのイケメン俳優も若い女性が興味を引いたところでしょう。

また日本の伝統芸能に興味がある高齢者の気を引いたことにもありました。そればかりではなく、登場人物の50年にわたる歌舞伎俳優人生を重ねて自分の人生を振り返るという意味もあるのでしょう。

近頃は国内外ともに老後の人生はいかに生きるべきかという映画が増えました。それで、スターと言えども50代以降の俳優はわき役に回るところを、主役を続行できるようになりました。そんなところで高齢者が見たいなという映画も増えました。そこで普段は映画館に足を運ばない高齢者も獲得したのです。老若男女問わずに広い観客層が映画館にきたことで大ヒットにつながりました。

映画国宝興収 映画国宝のメガヒットは邦画業界に異変を与えるか?

これは超メガヒットがあるアニメばかりが大半になる邦画にいい刺激になると思います。凋落している邦画界で魅力的な企画を出すことのできない状態です。客が入らない映画ばっかりで沈滞気味になっています。

客がたくさん入るアニメの企画ばかりになってしまうのは仕方ありません。映画マニアや評論家にはアニメばかりであることに批判をしますが、映画だって商売として成り立たないのであれば、映画マニア向きの作品の作られず、映画業界全体が瀕死してしまいません。

そんな中、アニメが利益を生み出すのであればここにばかり目が行くのはしかたがないでしょう。むしろ倒れ掛かっている邦画を支えてくれてありがとうと感謝すべきですよ。映画を愛するものとしてはそう思います。

映画国宝 興収 テレビ局が関与していない映画の大ヒットは業界に何をもたらすのか

と、話がそれてしまいましたが、もうひとつ「国宝」の特徴としてはテレビ局が制作に関与していないということです。

邦画実写映画第1位の「踊る大捜査線 レインボーブリッジを封鎖せよ!」は言うまでもなくフジテレビのドラマの劇場映画化ですね。自社のテレビ番組で満腹するくらい宣伝を展開して大ヒットにつなげたのも記憶している方もいるでしょう。60年後半からテレビドラマの映画化はぽつりぽつりありましたが、80年代からドラマの映画化だけでなく、最初から劇場用映画を制作するのが目立ちはじめました。

中でもフジテレビは快進撃していました。「南極物語」(1983年・興収110億円・ランキング20位)「子猫物語」(1986年・興収98億円・)また自社のテレビドラマである「踊る大捜査線 THE MOVIE」(1998年・興収101億円・ランキング22位)「踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!」(2010年・興収73.1億円・ランキング47位)という成績を収めています。もちろんフジテレビが制作したものでも不入りだった作品もたくさんあるわけですが、「踊る大捜査線」をテレビドラマと劇場用映画で大ヒットさせた功績が大きかったわけで、80年代のフジテレビは高視聴率の番組もたくさんあってこのあたりがこのテレビ局のピークでありました。「国宝」はテレビ局主体でもなく、邦画の実写映画としてはメガヒットさせた影響は業界にとって大きな刺激になったと思います。

映画に客が入るのは企画次第で丁寧に撮る作品自体のクオリティの高さであり、アニメに頼る思考停止にカンフル剤を打ち込んだでしょう。

それは大ヒットしたからと言っても一銭も入らない私としても嬉しいことでした。これで硬直して倒れそうな邦画が再生するきっかけになれば楽しみになります。

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