ブラッド・ピットファイトクラブ 暴力への憧憬

2025年5月6日に来日したトム・クルーズに続いて、6月24日にはブラッド・ピットも日本にやってきました。このハリウッドのスターが続いて来日して、映画興行に良い影響があって、業界も盛り上がってほしいものです。

ブラッドピットファイトクラブ 解説

この項ではブラッド・ピットの「ファイトクラブ」をご紹介します。

まずは映画のあらすじを・・・

保険会社に勤めるジャック(エドワード・ノートン)はここ数か月は不眠症に悩み、さまざまな病気を抱える人々が集まる「支援の会」に通い始めて泣くことに快感を覚える。「支援の会」中毒のマーラ(ヘレナ・ボナム・カーター)に出会い、電話番号の交換をする。出張先の飛行機内でタイラー(ブラッド・ピット)と知り合うが、なぜかアパートの部屋は爆破されて、タイラーの家に泊めてもらう。

タイラーはジャックに俺を力いっぱい殴れと言う。エステサロンのごみ箱から人間の脂肪を盗み出しそれで石鹸を作って売る商売をしているタイラーは、数日後にジャックと駐車場で殴り合う。次第に見物人が増えて、タイラーは酒場の地下室を借りて互いに殴り合う「ファイトクラブ」を設立する。会員がどんどん増えて全国に支部ができる。増長したタイラーはいたずらとテロを起こそうと企てる。それをジャックが止めようとするのだが・・・・。

ブラッドピットファイトクラブ なぜこの作品がカルトムービーになったのか

この作品は映画での成績がいまいちだったが、DVDが発売されるとこれがヒットしてカルトムービーとなった。

なぜカルトになったのかと言えば、この作品では暴力がもたらす快感を味わうような作りになっているから。暴力が大好きなタイラーは相手を殴る、蹴ることで快感に酔いしれる危ない男である。だが、表向き暴力はよくないことをわかっているのだが、暴力に酔うと言う気持ちは男なら気持ちはわかるだろう。アクション映画の魅力はまさにそれだから。ジャックはそんなタイラーに反発しながらも、彼の暴力にはある種の魅力を感じているのだ。そんな映画だから「時計仕掛けのオレンジ」(1971年)や「ジョーカー」(2019年)などのように犯罪を誘発させるような危険なものを持っている。だから殴り合いに面白さを感じながらも嫌悪感がもたらせる。そこがなにか気分を高揚させる人もいるのだろう。ブラピの作品の中でもこれがいけない魅力にあふれたアンモラル映画だ。ブラピも自分の両親に見せたくないと説得したがだめだった。しかし劇中に化学火傷の場面があると知り、やっと息子の言うことを聞いた。

ブラッドピットファイトクラブ 最初は乗り気でなかったブラッド・ピット

そんな映画であるが、最初はブラピもこの映画に興味がなかった。本作の監督デビッド・フィンチャーは「ジョー・ブラックをよろしく」(1998年)を撮影中のブラピの家を訪ねてビールを飲みに行こうと誘う。そのビールを飲みながら、ブラピにこの映画の脚本を読んでくれと頼んだ。読んでブラピは出演を承諾したのだ。

ブラッドピットファイトクラブ 鍛え上げた筋肉美

美ブラピも均整のとれた筋肉をつけるべく トレーニングをした。余分な体脂肪をそぎ落とすことを目標して、彼は体脂肪を五%まで落とした。非常に困難なことだが、映画をご覧になれば彼の筋肉は美しいもので、かえってトレーニングが厳しいものだったと感じさせるのである。

 

映画開始34分頃に、エドワード・ノートンがブラッド・ピットの耳を叩く場面がある。これは本当に叩いていて、ブラピは演技ではなく本当に痛がっているのだ。当初は叩くふりではあったが、フィンチャー監督はノートンに本当に叩けと指示したのである。

という映画である。現実と虚構の区別のつかない人は観ないようにしてほしい。毒気のある映画である。暴力はいけないけど、その反面暴力に惹かれていくという魅力があるということは承知している。だが分別のある人限定映画だ。

ブラッド・ピットの軌跡について語ります。↓↓↓↓

ブラッドピット若い頃 ブラッド・ピットの軌跡
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