スーパーマン映画評価 スーパーマン映画の最高傑作はどれか?

これまで何度も映画、テレビドラマ、アニメーションで映像化された「スーパーマン」の実写映画新作が2025年7月11日に日米同時公開されます。スーパーマンなら大ヒットするだろうと当て込んでの同時公開ですね。

 

何度も映像化しているスーパーマンですが、今回DCユニバースの第一作で、スーパーマンシリーズのリブート作品となります。DCコミックスを原作とするスーパーマンですが、その原作スーパーマンをDCユニバースが初めて担当するのは、このフランチャイズが2022年にワーナーメディアとディスカバリーが統合してDCスタジオができて、DCコミックスの映像化をどうビジネス展開するのかというところDCユニバースというフランチャイズが出てきたのです。まだできて3年目なんですね。DCコミックスが手掛けることで、これまでの映像化とちょっと違ったスーパーマン、いや原作を出版したところだからこそこれが王道のスーパーマンだというのが観られるかもしれません。

スーパーマン映画1978年版は最高のスーパーマン映画

数あるスーパーマンの最高傑作と言い切って良いと思いますが、それはクリストファー・リーブ主演のシリーズ第一作でしょうね。

近頃のアメコミ映画は自分の内面の葛藤や社会や政治の矛盾や至らない面を取り込んで暗く重い作品が多く、すっきりさせないのです。もちろんそういう問題意識があって取り込むのは良いけれど、映画本来の現実にはない夢物語にすっきりと良い気分にさせてくれる作品が少なくなっています。

能天気に勧善懲悪というものが現代社会に生きる人々には満足できないんでしょうか。「ジョーカー」みたいに暗くて重たい映画が大ヒットするというのは、現代人は心の闇を抱えているようで、映画は娯楽というより現代社会の問題を考えるテキストになってしまったようなんですね。

スーパーマン映画評価はリチャードドナー監督版が一番いい

1978年の作品は従来の勧善懲悪の作品です。スーパーマンが正義とはなんだとかウジウジ悩んだりしません。ちょっとした悩みは死去した父親の映像がそれを解決してしまいます。明朗快活にスーパーヒーローは活躍するのです。映画は同じ題材でも何か新しいものを加えていって新味を出すのですが、本作にはまるで新味がない、古臭いと言えば古臭いです。現代の目で観ても社会問題などまったく描かないし、1978年という時代にできたこともあり古臭く感じるのは当然です。しかし、封切り当時に鑑賞した時も古臭い内容だったのですよ。ごく普通のヒーローものの描き方でした。勧善懲悪で悪い奴は徹底的に悪い、ヒーローは完全にヒーローです。

しかし古臭くても、人々が何に心動かされるかという定石をちゃんと踏んでいれば傑作になるということですよ。下手に新味を出そうとして失敗するのもありますし、やっぱり基本に忠実が一番強いということですね。

映画はやっぱり観終わった後、カタルシスを感じさせるのがもっとも満足度が高いものです。

スーパーマン映画評価 マーロンブランドの大物俳優としての気まぐれ。

この映画で一番ギャラが高かったのは、スーパーマンの実の父親を演じたマーロン・ブランドです。出演場面もわずかなのに高額のギャラを得たのは彼はスターとしてのキャリアとその演技力が高く評価されてもいますから、これも当然なのでしょう。

しかし、マーロン・ブランドは怠け者で撮影中にも勝手なことを言って役者やスタッフを翻弄するのも有名でした。この映画でもマーロン・ブランドはリチャード・ドナー監督にリハーサル中もカメラを回すことを提案しています。

「どうなるかわからないけれど、運がよければうまくいしれない」と言ったと伝えられています。ドナー監督もその最初のテイクでそのまま使ったものをあると話しています。このリハーサルのものが使われたら本番でそれを演じなくても良いことになり、ブランドはなるべく仕事量を減らそうということだったのです。

当時は無名でスーパーマン役は大抜擢だったクリストファー・リーブは、ブランドに対して「彼は適当にやっていてそれが明らかだった」と後のインタビューで不満をもらしていました。

スーパーマン映画評価 筋肉もりもりのクリストファー・リーブのコーチがダースベイダー

そのリーブはスーパーマンの役を演じるにあたり、ボディビルのトレーニングをすることになりました。そのコーチを「スター・ウォーズ」シリーズでダースベイダーを演じたデビッド・プラウズが担当しました。しかし、ブラウズが予告も説明もしないで、10日間も外国に渡りました。リーブはブラウズを解雇しました。ブラウズは「スーパーマン」のオーディションも受けています。だからブラウズは内心、リーブのコーチをするのは面白くないと思ったのかもしれません。

スーパーマン映画評価 映画のロケでニューヨークの大停電にあう。

1977年ニューヨークの大停電があった夜にこの映画が撮影中でした。ニューヨーク・デイリー・ニュースはそれにかかわらず新聞を発行できたのは、この映画の撮影機材である発電機の使用を新聞社に許可したからなのです。リチャード・ドナー監督は撮影監督のジェフリー・アンスワーズが大量の機材を使ったのが停電の原因を作ったと信じていたというジョークを使うようになりました。

スーパーマン映画評価 1978年版ではクラーク・ケントとロイス・レインは子供の頃に出会っていた?

 

スーパーマンことクラーク・ケントの少年時代、その超人的な能力により、列車と並んで走る場面がありました。その時、車中からケントを見て驚く女の子が、後に恋人になるロイス・レインです。その両親、父親役はカーク・アリンは1948年の「スーパーマン」と「アトムマン対スーパーマン」(1950年)でスーパーマンを演じました。

母親役のノエル・ニールはカーク・アリンと1948年の「スーパーマン」1950年の「アトムマン対スーパーマン」と共演をして「スーパーマンの冒険」(1952年)でロイス・レインを演じました。

スーパーマン映画評価 スーパーマン1978年版は二種類ある?

さて、この「スーパーマン」はパートⅡも同時に撮影されています。しかし、撮影が終わる前にリチャード・ドナー監督はプロデューサーとの意見の違いから解雇されてしまいます。代わりに起用されたリチャード・レスター監督が撮影し直ししています。また、リチャード・ドナー監督が撮影したものの映像もU-NEXTに配信されています。

スーパーマン映画評価 1978年版が最高傑作

1978年版は勧善懲悪に徹していて、それが能天気なくらい明るくカタルシスがあってスカッとする後味の良さ。これがスーパーヒーローものの王道だというところで、リチャード・ドナー監督もひねりもなく、素直にこの娯楽大作映画をまとめていると思います。この映画が良くないと思う人は、何で映画を観ているのですか?娯楽でなくて思考するために映画をテキストにしているんですか?と問いたいくらいです。

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