なぜ私が「キングダム」の山崎賢人の信に魅力を感じないのか?山崎賢人版信の違和感をめぐる正体とは何か?

ファンには悪いけれど、私は「信ってずっと怒鳴っているだけでは?」「4作観てもあまり成長していないのでは?」という印象です。特に実写映画版だけ観ていると山崎賢人の演技も一本調子だと感じますね。 

ところが原作ファンが信を支持する理由は、「成長したから」ではなく、「何十巻読んでも根っこの部分が変わらないから」にありますね。そこになぜ映画版の信に魅力がなかったのかという理由がありそうです。そこでこの記事では大ヒットシリーズ「キングダム」の信というキャラクターを分析を行っていきましょう。 

山崎賢人は評価できない?信というキャラクターの本質 

原泰久は『キングダム』を少年漫画の王道として作っています。本人も「昔のジャンプ的な、めげずに前進して夢をつかむ物語」を意識していると語っています。連載掲載紙も週刊ヤングジャンプですから、ジャンプイズムに即したキャラクターで行くということです。 

つまり信は、 

繊細な内省をする主人公 

自己分析で成長する主人公 

自分の弱さと向き合う主人公 

ではありません。 

むしろ 

バカみたいに前へ進む 

何度負けても立ち上がる 

理屈より信念 

という「孫悟空」「桜木花道」「ルフィ」に近い系譜です。由緒正しいジャンプイズムですね。 

だから、 

私はなぜもっと反省しないんだとか成長していないバカという印象を持ったのですが、 

原作者からすると 

「反省して賢くなる主人公じゃない」ということでもあります。私の批判は見当違い、的外れですね。 

 山崎賢人は評価できない?原作ファンはなぜ信が好きなのか。 

実は原作ファンが好きなのは「信の能力」ではありません。 

一番評価されるのは、「人を変えてしまう力」です。 

信の周囲には、 

河了貂 

羌瘣 

飛信隊 

政 

王騎 

など様々な人物がいます。 

彼らは信の知性や戦術能力に惹かれるのではなく、 

「こいつのためなら命を懸けてもいい」と思わされるのです。 

原作ではそこがかなり丁寧に描かれています。 

信は軍事的には未熟でも、戦場で真っ先に危険地帯へ飛び込こんでいき、 

仲間を見捨てず、 

身分も関係なく接する。 

だから人が集まる。 

原作ファンの多くは「信は強いから好き」 ではなく「信は人間としてまっすぐだから好き」 

という感覚です。  

それでは映画版で成長を感じにくい理由とは何でしょうか? 

これは結構大きな問題です。 

実写映画は4作とも非常によく出来ていますが、 物語としてはまだ信の青年期の入口です。 

原作80巻近い壮大な物語の中で、映画4作はまだ序盤も序盤です。 

しかも映画はどうしても 「戦闘」「政との友情」 「王騎との関係」 を優先するため、原作にある細かな心理描写がかなり削られています。 

だから映画だけ観ると、 「また叫んでる」 「また突撃してる」となりやすくなります。 

実際、映画版信は原作より単純化されている印象があります。これも映画の時間的制約からそうなってしまうデメリットはあるのですね。 

 

山崎賢人は原作ファンの信に対する期待に応えているのか 

私は原作のファンでもないのでこれはファンの気持ちは想像するしかありません。SNSからこういったコメントから察するところ、そこから来る結論は原作ファンを失望させず、うまく信を演じているのではないか、ということです。 

ただし、 

「魅力的な俳優だから」 

というより 

「信という役に非常に誠実だったから」 

でしょう。 

山崎賢人はこの役のために約10kg減量し、炭水化物制限とアクショントレーニングを行ったと語っています。 

山崎賢人の信に何も魅力を感じない私もこの努力は評価できますね。 

また彼自身、信を長年演じる中で 

「人生そのもの」 「信と一緒に生きてきた」 

と話しており、役への思い入れは非常に強いです。 

 

それなのになぜ山崎賢人に魅力を感じなかったのか? 

ここは面白いところです。山崎賢人のパーソナリティが明確なるものです。 

山崎賢人は、大沢たかお、 吉沢亮、  山田裕貴、 玉木宏     

のような「強烈な個性で画面を支配するタイプ」ではありません。 

むしろ「作品の主人公になる器」で勝負する俳優です。 

だから王騎を演じる大沢たかおが出てくると、 

どうしても食われてしまいます。 

実際に『キングダム』シリーズで最も記憶に残る人物を挙げろと言われれば、 

多くの観客は 

王騎 

李牧 

羌瘣 

あたりを挙げるでしょう。 

信ではない。 

これはある意味原作も同じようです。 

キングダムは脇役が異常に強い漫画なのは、キャラクター表を見ると感じます。 

なぜ山崎賢人に魅力を感じなかったのか? まとめ 

私の信に魅力を感じないのはなぜかについて分析してみました。 

 内面的葛藤が少ない 

成熟が遅い 

反省より気合い 

という主人公が私の好みではなかったということがこの論考では明確に分かりました 

一方で原作ファンは、信を「成長する少年」ではなく、「絶対に折れない理想そのもの」として見ています。 

そして山崎賢人は、 

その理想像を演技派的な解釈で再構築するのではなく、 

真正面から体現しようとしたのです。 

だから演技の巧拙以前に、「信をやる人としてはかなり正解だった」という評価になるのだと思います。山崎賢人に魅力を感じなくても、彼が肉体改造や激しいアクション訓練を経て、漫画の信が持つ野生性や前進力をスクリーンに持ち込もうとした努力は、高く評価できる部分です。 

むしろ『キングダム』シリーズは、山崎賢人のスター性よりも、その愚直な役への献身によって成立している作品だと言っていいでしょう。それもジャンプイズムですね。 

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