『キングダム』は、2006年から「週刊ヤングジャンプ」で連載されている大人気漫画であり、すでにテレビアニメ版も制作・放送されています。
それなのに「キングダム」はなぜわざわざ実写映画でも作られたのか」と疑問に思いますよね。実は、アニメが存在する中で実写映画化が企画され、大ヒットに至った背景には、制作陣や原作者の明確な狙いや熱い想いがありました。その熱意を知ると、このシリーズをもっと味わい深くなりますよ。
キングダムはなぜ実写映画にしたのか? 「中国の春秋戦国時代」という圧倒的なスケールを実写の迫力で描くため
『キングダム』の魅力は、何万人もの兵士がぶつかり合う大規模な合戦や、荒涼とした中国の大地を舞台にしたダイナミックなアクションです。 アニメーションも非常に魅力的ですが、実写ならではの「生身の人間が泥まみれになり、血を流しながら戦う熱量」や「本物のロケーションや大規模なセットが生み出す圧倒的なリアリティ」は、圧倒的な厚みのある画面になっています。これこそスクリーンでしか味わえない重厚感や、大迫力のスペクタクル巨編としてスマホやテレビ画面ではもったいないと思わせることに成功しています。
なぜキングダムは実写映画にしたのか?アニメファン層以外の、より幅広い層へ作品を届けるため
アニメや漫画を普段あまり見ない層や、一般の映画ファンも含めて、「日本映画の枠を超えたエンターテインメント大作」として社会現象のようなムーブメントを起こしたいという狙いがありました。
山﨑賢人さんをはじめとする豪華キャスト陣の熱演もさることながらアクションをこなすために俳優陣もトレーニングを行いました。、
山崎賢人さんは肉体改造のために過酷なトレーニングを行ってほとんどのスタントを実際にこなしており、馬に飛び乗ることも自身で演じました。
王騎(おうき)を演じた大沢たかおさんですが、体を大きくビルドアップしました。そのために前に着た衣装が盛り上がった筋肉のために着られなくなり、作り直したと言います。
伝説の刺客・羌瘣を演じた清野菜名さんは、撮影の何ヶ月も前からハードなアクション練習に没頭しました。彼女のアクションはどうせCGを多用してるんでしょと思われがちですが、この役に取り組んだ彼女のがんばりにも注目してください。
この俳優陣による邦画の常識を覆すようなアクション演技と演出により、原作ファンだけでなく、映画をきっかけに『キングダム』の世界に触れたライト層や幅広い世代を巻き込む大ヒットとなりました。
キングダムはなぜ実写映画にしたのか?原作の10周年を記念する特別なプロジェクトとしての始動
そもそも実写版の最初の企画は、原作連載10周年を記念した実写特別動画(2016年公開)が大きなきっかけでした。その際のクオリティの高さや手応え、そして「これを本格的な長編映画としてどこまでやれるか挑戦したい」というプロデューサー陣や原作者・原泰久先生の想いが一致し、本格的な映画化プロジェクトへと発展していきました。
キングダムはなぜ実写映画にしたのか? 原作者・原泰久先生の映画への熱い想いと協力体制
原作者の原泰久先生自身が大の映画好きであり、学生時代には映画監督を志したほどの映画ファンでした。 そのため、「漫画をそのままなぞるのではなく、映画ならではの脚本や演出であるべきだ」という理解があり、自ら脚本会議に参加するなど制作チームと密に連携をとりました。原作へのリスペクトを持ちつつ、「映画としてどうすれば最も面白くなるか」を徹底的に追求できたことが、実写化成功の大きな要因となっています。
アニメがキャラクターの繊細な心理描写や長期的なストーリーの展開をじっくり描くのに対し、実写映画は「限られた時間の中で、生身の役者と圧倒的なスケール感で観客を熱狂の渦に巻き込むこと」を目的として作られています。このアプローチの違いこそが、アニメとはまた違った形で実写版が熱烈に支持されている理由です。
なぜキングダムは実写映画になったのか?まとめ
「もしこれがコケたら邦画の大作が絶滅してしまうかもしれない」というプレッシャーは大変なものがあったでしょう。それを跳ね返してこれだけの巨大なムーブメントになったのは、「お金をかけて本気で作れば、ちゃんと興行収入という結果で返ってくる」という前例が『キングダム』のような長期シリーズで証明されたことで、出資者側も「次の大きな企画に投資しよう」という前向きなリスクを取れるようになっています。
こういった製作者側の真摯な気持ちで取り組んだことにより、シリーズ全作が興収50億円越えの大ヒットとなったのです。これが大失敗に終わったなら、もう邦画では実写の大作映画は作られなくなりますから、この大ヒットはうれしいものです。これだけ丁寧に作ったら、大ヒットするという成功例ができたのですから。
