「トイ・ストーリー5」が2026年7月3日に公開されます。第1作がアメリカで公開されたのが1995年11月ですが、日本公開が1996年の3月ですので、日本では今年、第5作目の公開に合わせてイベントが行われます。とは言え日本でも昨年に30周年記念として第1作の1週間限定の上映や東京スカイツリー展望回廊での特別展示や、各地のマルシェなどの期間限定ストアでのグッズ販売が行われました。最新作の公開に合わせて『トイ・ストーリー5』日本公開30周年特設ページにて随時更新されていますのでこちらをご参照ください。
トイ・ストーリー30周年 世界初のフルCGアニメだった画期的な作品
さてここではシリーズ第1作を振り返ってみましょう。この第1作がアニメの革新的な作品だったために当時は話題になりました。ディズニー&ピクサーの才能あふれるクリエーターたちが誕生させた世界初の長編フルCGアニメーションという点で画期的なものでした。CGについては毀誉褒貶ありまして、私自身も今のCGまみれの映画は否定的です。なんといってもコンピューターが描く画はなんの感情も起きない冷たい感じがしてこれは工場で大量生産される商品と同じです。機械が描くから肉筆で書いた画のように描いた人の想いが込められていないので、プログラミングした工場での生産はそれでかまいませんが、映画という創作物では何の味気もないのです。昨今はAIで描いた絵でYouTubeで動画としてUpされていますが、これもまったくこの絵を動画としてみても何にも自分の感情が揺り動かされることがありません。
とは言えCGだからこそ表現できるものがあります。本作で言えば、ソフトビニール人形の肌をとてもリアルに描かれています。これは他の技術ではとうていできないのでCGの利点としてあげられます。だから私も全面的にCGを否定はしません。ただ60代である私は新しいものが受け付けられない年寄りということでしょう。ただし30年前なら私も30代でありましたが、やはりこの第1作には以上のような感想を持ちました。ソフビ人形の質感は良いけど、人間とか犬の表現はまるでリアルさがないいかにも機械が描いた画でしたね。まあ今と違ってこの作品の頃はCGも初期の段階ですから、今ではここも改善されているんですけれど。
トイ・ストーリー30周年 トイ・ストーリーの声優たちは?日本語版はひどかったのか?
さてアニメでありますから、この画に命を吹き込む声優たちについて述べましょう。
まずは日本語版ですね。
ウッディ役を唐沢寿明、バズ・ライトイヤーに所ジョージですね。当時はテレビの洋画番組に吹き替えに名前と顔の知られたタレントでなるべく多くの人の気を引こうという作戦でありますが、アニメファンや映画ファンからひんしゅくを買いました。しかし、唐沢と所の声の演技ぶりは大変好評でした。まったくキャラクターの性格に即した演技ぶりは賞賛されましたからこのキャスティングは成功でしたね。まあこんなことになるのはまれですが。
日本語吹き替えは当初、ウッディに山寺宏一、バズ・ライトイヤーに磯部勉という配役でした。それは両者はそれぞれウッディ役のトム・ハンクスとバズ役のティム・アレンの実写出演作の吹き替え担当でもあったためです。山寺は日本版予告編のナレーションも務めた上、初回収録版の吹替音声は全て収録が済んでいました。にも関わらず、公開寸前にマーケティングの都合で配役が声優から有名タレントへと変更になってしまいました。アニメファンと映画ファンもそこが嫌なのでしたが、これも商売上なるべく視聴率と観客動員数を多くしなきゃなりませんからある意味仕方ないといえば仕方ないことかもしれません。しかしこの案件は専門の声優たちには有名な交代劇になったというというか、反感をおぼえることだったのです。
トイ・ストーリー30周年 オリジナル版の声優たちは?
オリジナル版もトム・ハンクスやティム・アレン、最初から彼をキャスティングしたわけではありません。
バズ・ライトイヤー役は当初はビリー・クリスタルにオファーがありました。しかし、彼はこれを断ったのです。完成した映画を見た後、彼はその決断がキャリア最大の過ちだったと後に語りました。このことを知ったジョン・ラセター監督はビリーの家に電話をかけ、『モンスターズ・インク』(2001年)のマイク・ワゾウスキ役をオファーしました。ビリーの妻が電話に出て「ジョン・ラセターがあなたと話したがっているわ」と言いました。ビリーは妻から電話を受け取り、即座に「YES」と答えたのでした。
一方、ウッディ役のトム・ハンクスは即座にオファーを受けました。
トム・ハンクスがウッディ役に惹かれたのは、幼い頃部屋に誰もいない時に、おもちゃが生きているかのように動き回っているのではないかといつも不思議に思っていたからだそうです。
ビリー・クリスタルの代わりに引き受けたティム・アレンがバズ・ライトイヤー役に惹かれたのは、彼にとって最大のインスピレーション源であるチェビー・チェイスにその役がオファーされたものの彼が断ったということを知ったからです。リスペクトしているコメディアンが断ったので、ならばこの俺が、という気持ちが起こったようです。
トイ・ストーリー30周年 脇役を担当した俳優についてのトリビア
もうひとり、声優についての話題を紹介します。ハムの声優を務めたジョン・ラッツェンバーガーは、その後ピクサー・アニメーション・スタジオのすべての作品でキャラクターの声を担当しました。このことから彼はピクサーの『幸運のお守り』となりました。ピクサーは、すべての作品で特定の声優を起用している唯一のアニメーションスタジオでもあります。
というのはハリウッドでは珍しいのです。

コメント