「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」は2020年に公開され、407.5億円という興行成績第一位の成績を収めたメガヒット作です。この大ヒット自体は映画興行を立派に支えた成績なので、映画ファンとしてはそれにいささかの文句もないどころか、これからも映画製作ができるのでありがたいヒット作です。
しかし、作品を観たところあまりにも血みどろで腕や足が斬り落とされ吹っ飛ぶという残虐な描写にはこれ年少者も見る映画なんだろう?と気になりました。今は日本でも作品によっては年齢制限をするのが当たり前であります。ですが、今から40年以上前には日本ではこういった残酷描写やエロティックな描写には寛容でした。寛容というよりだらしなかったと言いますか。それで不良になったわけではありません。まあわたしがバカなのは確かでありますが、これはこれらの影響ではないときっぱり言い切れます。
鬼滅の刃無限列車編海外の反応テレビの台頭で苦境にさらされた映画の苦肉の策はバイオレンスとエロである。
テレビの台頭によりそれに対抗するために女性のヌードやセックス場面や残酷描写で観客の興味をそそる映画が1960年代後半以降制作されました。ポルノ映画なら成人映画指定で18歳未満は見られませんというのは当然でしたが、そうでなければセックス描写やヌードシーン、残酷描写があっても年齢制限されていませんでした。未成年でも観られたのです。おかげで当時は中学生、高校生であった自分もそれらの作品に見られたのです。
しかし欧米では未成年に見せる映画には厳しく年齢制限をしていました。それを見倣って80年代から年齢制限のレートを日本でも設けるようになりました。
さて、暴力や性表現に厳しい欧米とそんなことに緩い日本のアニメにどういった評価をしているのか気になりましたので 調べてみました。そしたら、そういった映画やテレビドラマを取り上げて、これが未成年の鑑賞に適しているかどうか親御さんに示す団体のサイトがありました。
Common Sence Mediaはメディアやテクノロジーが子供に適しているかどうかの情報を提供することを目的として、メディアやテクノロジーを審査し、評価を行うアメリカの非営利団体です。
1970年代はPTAが俗悪なテレビ番組や漫画にクレームをつけることはよくありましたが、今ではそんな声はまったく聞きません。それに代わってBPO(放送倫理・番組向上機構)が設立されたことと、PTAの役割が変化したせいだと思われます。
さてCommon Sence MediaがBPOと同じ役割ではないでしょう。
そういう団体ではないのですが、暴力や性について子供にふさわしくないなあという指摘をするところですね。関係者に圧力をかけたり取り締まる権限はありません。
それではまずこの団体が「劇場版 鬼滅の刃無限列車編」についてどんなことを述べているか見てみましょう。まずはこういう注意喚起をしています。
劇場版鬼滅の刃無限列車編海外の反応 まずはCommon Sence Mediaの注意喚起から
保護者の皆様へ:『鬼滅の刃』は、家族を惨殺された少年とその妹が復讐のために鬼殺隊に加わるアニメシリーズです。ファンタジー的な暴力描写、流血、恐ろしい姿をした鬼のクリーチャーが多数登場します。死者や憑依された者の中には幼い子供も含まれ、人肉を食べるシーンもあります。自殺する人物や、激しい訓練後に嘔吐する人物もいます。斬首や四肢切断のシーンが頻繁にあり、血しぶきや血だまりが描かれます。性的な表現も含まれており、女性の露出度の高い服装をカメラが長々と映す場面もあります。時折、「クソ」「野郎」「地獄」「神」といった言葉が感嘆詞として使われます。しかし、このシリーズには家族や友人への愛、忠誠心、思いやり、誠実さ、チームワーク、勇気といった肯定的なテーマも含まれています。
「鬼滅の刃無限列車編」の暴力性を指摘しているものの全否定しているわけでもなく、この作品におけるテーマもちゃんと取り上げているバランスをとったものです。以前なら全否定するものをこの作品の伝えたいところを見ているというのは考え方が変わったのだと思いますね。
ちなみにこの作品のアメリカでの年齢制限は14歳以上が鑑賞可としています。日本ではPG12指定でしたね。う~ん、この年齢でも厳しいように思えますが、自分がその年で残虐でエロい映画を観ていたから大丈夫かな、たぶん。
さてこの団体のサイトにいろんな人が述べているのでそれも見ていきます。
劇場版鬼滅の刃無限列車編海外の反応 性的描写とセリフの問題があるアニメ
この作品がなぜ14歳以上で鑑賞可なのか指摘しています。残虐性が伴う暴力場面があることが一番の理由ではありますが、他の指摘、性的描写やセリフに対することにも言及しています。
※ キスシーン。性労働や売春宿への言及。女性が裸で入浴するシーンがあるが、髪で胸は隠れており、性器は映っていない。男性キャラクターが少女たちの「胸とお尻」を触ることについて冗談を言う。少年が短いスカートを履いた少女たちがかがむ様子をじっと見つめる。いくつかのシーンでは胸の谷間が強調されており、露出度の高い服を着た女性の性的なイメージや、時折上半身裸の男性が登場する。
※言語には、「くそっ」、「クソ野郎」、「小便」、「ケツ」、「クソ」、「ちくしょう」、「ちくしょう」、「地獄」、「ちくしょう」、「バカ」、「馬鹿」、「神」などの感嘆詞が含まれます。
※登場人物は時折飲酒や喫煙をする。酔った人物が短時間映る。酔った父親が息子を殴る場面がある。
飲酒の場面も指摘されていますね。喫煙もあったら取り上げられたでしょう。もちろんドラッグを飲んだり吸ったりしてもだめですね。
劇場版鬼滅の刃無限列車編海外の反応 問題のある描写が多いアニメであるものの、全否定はしない。
それでは、問題のある描写を指摘したうえで見るなといは言いません。作品に描かれるテーマもしっかりと述べています。
「Why age 14+?(何で14歳以上なの?)」というコーナーで述べられている意見を見てみます。
前向きなメッセージ
困難な状況でも決して諦めず、粘り強く努力を続けましょう。友人や家族は大切です。愛する人たちには、常に思いやり、誠実さ、忠誠心、そして自己犠牲の精神を示しましょう。勇気とチームワークは強力な力です。自分の倫理観を貫き、正しいことをすることが大切です。しかし、罪のない人々が闇の力によって傷つけられたり、命を奪われたりすることもあります。他人の苦しみから喜びを得る存在もいるのです。
この原作が連載された少年ジャンプのテーマ「友情・努力・勝利」をしっかりと受け止めた文章ですね。
それでは次に「Any Positive Content?(肯定的な内容はありますか?)」に掲載された文章を見てみましょう。
ポジティブなロールモデル
炭治郎は思いやりがあり、決意が固く、勇敢です。愛する人を守るためならどんなことでもしますが、自分の基準を満たさない人にはすぐに苛立ちます。妹の禰豆子は鬼に変身しますが、人間の感情と共感力は失っていません。鬼の欲望に屈しないよう固く決意しており、血への渇望を抑えるために口輪を装着していることもあります。愛する人を守るためなら、危険を顧みず身を挺してでも助けようとします。禰豆子、鱗滝左近次、そして他の鬼殺隊員たちは、時に利己的な行動をとったり、怒りを露わにしたりすることもありますが、勇気、忠誠心、そしてチームワークを発揮します。
昔と違って映画に描かれる暴力や性描写を指摘して観るなという強制をしていませんね。今時、そんなことを言ってもそれじゃあ観ないよという人もあまりいないでしょうし、それならその指摘をしつつ、この映画のテーマを取り上げてその点を強調するようなことをしています。これはアニメに対する偏見が弱くなったのでしょうね。私同様、アニメは年少の頃、テレビで毎週何本も観ているから、そういった問題点はあってもそれも映画の表現とひとつと受け止められるのでしょう。
さてアメリカでの評価は以上の通りですが、日本で鬼滅の刃を鑑賞するのに適切な年齢とはなんでしょうか?
この作品は
- 首が飛ぶ・血が出るなどの明確な暴力描写 → 幼児は現実とフィクションの区別がまだ弱いものです。バイオレンスなものは自分の身に起こったような感覚を覚えてしまうでしょう。
- 家族が殺されるなどの重いテーマ → 不安や悪夢につながりやすく、精神的なダメージを受けてトラウマになりかねません。
- 鬼のビジュアルが怖い → 夜泣きや恐怖心を引き起こすことがあるのかもしれません。これを踏まえて鑑賞に適切な年齢を見てみましょう。
- 7〜8歳(小2〜3) → まだ怖がる子が多いでしょう。
- 9〜10歳(小4〜5) → ストーリー理解が進み、耐性が出てくる年齢だと思います。
- 11歳以上(小6〜中学生) → ほぼ問題なく楽しめる層が多いでしょうね。
というふうに判断できると思います。腕や脚が斬られ吹っ飛んだり、血のりが飛び散る実写映画は70年代後半から多くなりましたが、その頃中学生だった私は、当時は今のようにR12とかR15とかの年齢制限がありませんでしたのでこれらの作品も観ていました。それで自分の精神に悪影響があったわけではありません。私は穏やかな性格でありこれらを観て心が荒んだことはないのです。近年は老年にいたり気が少し短くなりましたけれども。
しかし、私がそうだったからと言って他の人も同一には見られません。やっぱり精神や性格には個人差があり、同じものを見て精神が荒廃する人もいるでしょう。子育ては難しいものです。ほんとにわが子をよく見ないといけません。こどもに与えるものはまず親が見て判断をくだすことが親の責任です。多数の児童を相手にする学校の先生に指導がよくないからと責任をなすりつけてはだめです。その子をよく観察できるのは親の役目ですから。

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